今月のインタビューは前回に引き続き
東西の地酒グループ会長 村松茂夫さんです
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村松さんは、消費者・酒販店・蔵元が手を携えて日本酒文化を大切に守ろうと1986年2月に
東西の地酒グループを結成し、本物の酒を求めると同時に酒道の推進に尽力されています。
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Q:最近は日本酒を冷やで飲むことが流行っていますが、なぜでしょう。
A:日本酒の質が良くなったことが一番の理由だと思います。
精米度の低い米で作った酒は雑成分が混ざっていますが、燗をすることでそれが飛んでしまうのです。
また、暖めた酒は回りが早いので飲み過ぎないという知恵でもありました。
酒を暖めて飲むことは、平安時代の貴族が屋外で紅葉を楽しむときに、紅葉の葉を燃やして暖めた
酒を飲み、身体を暖めると同時に風流を楽しむという遊びをしていたところから始まっているのでしょう。
当時の貴族は夏の暑いときには氷室に貯えておいた氷を使いオンザロックで日本酒を飲んでいたといいます。
ところで、酒を暖めて飲むというのは世界で日本だけなのです。
紹興酒を暖めて飲む人がいますが、中国でそんなことをしたら笑われてしまいます。
昔紹興酒が高価だった頃、輸入業者が混ぜものをして売っていた時代があったのですが、そんな質の悪い
紹興酒は暖めたり、砂糖を入れたりして誤魔化さなければ飲めなかったのでしょう。
いい紹興酒を暖めたり砂糖を入れたりしてはいけません。
Q:焼酎も流行りましたが、焼酎の歴史はいつごろからですか。
A:焼酎の歴史は日本酒よりはずっと新しく、秀吉の頃貿易船で南蛮から日本に持ち込まれたのが始まりです。
ヨーロッパの錬金術から生まれた蒸留装置がイギリスからインドへ持ち込まれ、雑穀類を発酵させてから蒸留して
酒を造っていたのです。家康が南蛮焼酎を飲んでいたという文献があります。
日本で焼酎が造られるようになったのは江戸時代です。
当時は兜型といわれる蒸留器(らんびき)で蒸留していたので、蔵元によって味はずいぶん違っていたでしょう。
焼酎には甲類と乙類とがあります。甲類はサトウキビの絞り滓の糖蜜を原料にした、純粋に近いアルコールのため
あまり風味はありません。それに対して乙類は米、麦、さつまいもなどを原料としたモロミを発酵させてから
蒸留するため、特有の風味があります。中には飲みやすくするために砂糖を加えた偽物もありますが、
本物は大変おいしい酒です。私は本当にいい焼酎を区別して「上酎(しょうちゅう)」と呼んでいます。
Q:お酒と健康の関係について教えてください。
A:秋田大学の滝沢教授が報告されていますが、酒の効用はよく言われるストレスの解消、食欲増進、睡眠促進、
心筋梗塞や冠動脈性心疾患の予防に有効ということばかりではなく、胃ガンや腸ガンのリスクを低下させる
効用もあるそうです。いろいろな酒の害もありますが、それはすべて飲み過ぎが原因です。
いい酒を「酒道」に則り少量いただき、健康で有意義な生き方をしようということが
私の「酒道」提唱の目標の一つでもあります。
(以上文責:編集室 風見)
後記:本物の酒は、日本酒に適した稲を育て、大量には穫れない貴重な米を、もったいないと思うくらいに
徹底的に精米して芯のでんぷん質だけに削ってしまい、さらに選び抜かれた水と麹を用いて一流の杜氏が
丹誠込めて作り上げた芸術品と言えるかもしれません。多量には生産できないだけに希少価値からかプレミア
価格がついてしまい、なかなか庶民の手の届かないような貴重品になってしまっています。
インタビューのときに、きき酒をさせていただきましたが、酒の印象をどう言葉に表せばいいのか判りませんが、
芳香があり、透明感が高く、非常にすっきりした味わいで、 しかも飲んだ後喉や口に残らないと言うか、
うまく表現できないのですがすっきりした印象の酒でした。
流通のことなどうまい工夫をしてなんとかもう少し手に入れやすくならないものでしょうか。
たまには良い肴を用意し、こんなうまい酒を味わってみたいものだと思いました。(もう一つ揃えば最高?)